ETF投資ともっとも比較対象になるのが投資信託でしょう。このサイトでは従来型投資信託と表現しますが、公募されている株式投資信託です。この従来型の投資信託とETFにはどのような違いがあるのかを解説していきます。
ETFも従来投信(株式投資信託)も投資信託という仕組み自体はまったく同じです。
しかしながら、ETFが上場投信として証券取引所に上場しているのに対して、従来型の投資信託は証券会社や銀行といった販売会社を通じて売買するという点が大きな違いです。
えー、ETFだって証券会社を通じて注文を出すじゃないですか?という質問もありそうですが、ETFの場合は証券会社が行うのは「仲介」であり実際の売買は別にETFを保有する投資家と行っています。
一方の投資信託の場合は証券会社が販売している(取引の相手方になっている)わけです。
この違いがどのように違うか?ということですが、大きな違いは下記でまとめる表を見ていただくとわかるかと思います。
一般的な投資信託は大きく「アクティブ型」と「インデックス型」に分けられます。
それぞれの違いについてはアクティブファンドがファンドマネージャーによる積極売買が行われるタイプ、インデックスファンドがETFと同じように指数と連動することを目指した運用が行われるタイプとなります。
「アクティブファンドとインデックスファンドの違い」なども読んでいただければもっと詳しくわかるかと思います。
それでは、このインデックスファンドとETFはどのように違いがあるのでしょうか?
ETF | インデックスファンド | |
---|---|---|
売買できる場所 | 全国の証券会社どこでも | 取り扱い証券会社・銀行など |
価格決定・流動性 | リアルタイム・即時売却 | 1日1回。価格指定は不可 |
投資コスト・販売手数料 | ネット証券なら0.1%程度 | 0~2%程度 |
保有コスト・信託報酬 | 0.1~0.5%程度 | 0.5~1%程度 |
売却コスト・信託財産留保額 | ネット証券なら0.1%程度 | 無料~0.5%程度 |
売買単位 | 口数単位 | 金額単位 |
結構違いがありますね。特に手数料についてはETFの方が従来型の投資信託と比較して圧倒的に安い水準になっています。
ただし、インデックスファンドについては手数料が無料の「ノーロードファンド」というものも増えてきています。
信託報酬(運用経費)についてはETFの方が安いです。 なぜこのような低コストでやれるのかについては「なぜETFの信託報酬は安いの?」でも説明しているのでこちらも参考にしてください。
ただし、「eMaxisとSMTインデックスシリーズが1000億円の純資産総額突破」などでも書かれているSMTシリーズやeMaxisシリーズのように運用経費を削減しているインデックスファンドも登場しています。
コスト的にはETFの方が安くなることが多いですが、投資信託の場合、投資単位が1000円くらいの少額で売買することができます。一方でETFの場合、株と同じように「単元株数」が決められています。
たとえば取引額の大きい日経平均株価に連動する「日経225連動型上場投資信託(1321)の場合、売買単位は1株(口)単位で株価は2013年4月2日時点で12360円となっているので、最低投資額が12360円となります。
投資信託と比較すると、必要となる金額が大きくなります。また、投資信託は金額単位で投資することができるというのが大きなメリットです。
たとえば、積立投資をする場合など、ETFの場合は1口単位という投資が必要ですが、投資信託の場合は毎月1万円ずつ投資するという方法が利用できます。
積立投資をする場合は「金額を固定」する投資法(ドルコスト平均法)の方が効率的と言われています。
そのため、毎月の積立投資として投資信託を買いたいという場合は従来型の投資信託の方がお勧めといえるでしょう。その際は必ず手数料の安いものを選ぶようにしましょう。